日別アーカイブ: 2018年1月30日

モロモロの旅 1話 〜ご主人との出会いと最初の写真〜 


「撮りますよー? あれ? 後ろ向きのままでいいんですか?」
「はい……このままでお願いします」
「へへ、なんだか『いつか天下をとってやるー!』ていう感じでいいすね!
それじゃ、行きますよ! はい、3・2・1!」
パシャとシャッター音が背後から耳の中へと到達する。
心地がいい。
いいカメラだと音もいいのだと、知ることができた。
「はい! 撮れましたよ」
「……ありがとうございます。本当に、助かりました」
かえる。『旅かえる』のモロモロは、それは、それは深いお辞儀をしてお礼を言う。なんとも深くてキレイなお辞儀なのだろうか。それはまるで、お辞儀をしているかのようであった。
「ちょちょちょちょちょ! そんな! 写真くらいで土下座なんてしないでくださいよ!」
「え? 土下座?」
「え、だから、そんな土下座しなくても……」
「……え? 誰が土下座を?」
「え? ……い、いやなんでもないです。
あははは。コホン。
……それでは私はこれで。いい旅を!」
「はい、あなたもいい旅を」
写真を採ってくれた優しい御仁のその場で見送り、背中が見えなくなるころに取ってもらった写真を確認する。
この日のために用意した最新型のカメラの液晶の中には、自分が注文した通りの構図で撮られていた。
「ああ、よく撮れてる。
あの人……ほんとにいい人だったなぁ」
撮る際に色々注文してしまった。あーでもないこーでもないと、構図を決めるのに30分以上かかってしまった。それでもあの人は、モロモロが納得するまで付き合ってくれた。『もっとこうした方がいいんじゃないですか?』と提案もしてくれた。
見ず知らずの自分にあそこまでしてくれるなんて……。
世の中捨てたもんじゃない。
モロモロはもう一度、写真を見る。無意識に口角があがる。
写真はとても良く撮れていた。
「初めての旅の記念。ご主人は喜んでくれるだろうか」


旅をするかえる。通称『旅かえる』は旅をすることを生きがいとしている。だが、旅をする為には支援してくれる専属の『ご主人』がいないと旅をすることができない。去年2017年11月に、長い月日をかけてようやく旅をすることができるかえるに成長することができた。記録を残すために最新型のカメラも買った。だが、なかなか『ご主人』が現れなかった。同期たちはみな『ご主人』と出会い続々と旅をし始めている。カメラを磨く日々が続いた。
だが、今日。ようやく自分専属の『ご主人』と巡り合うことができた。
初めて合ったご主人は、なんだかとてもイライラしていた。身体からイライラのオーラが見えるほどに。目を細め、まるで獲物を狙うかのよう……一瞬、蛇にでも睨まれているのかと思いか、身体が硬直した。口もモゴモゴしている。
もしかして何か嫌いな物を食べたからだろうか。もしかして虫歯が痛いのだろうか。もしかして出会う前に何か嫌なことがあったのだろうか。
様々なことを考えているうちに、ご主人から名前をもらった。
それが『モロモロ』だ。今日から、旅かえるのモロモロだ。
モロモロは嬉しくて嬉しくて、堪らなかった。すると、さきほどまで蛇のようだったご主人の目が、とても嬉しそうな目になった。
モロモロは、さっそくご主人が用意してくれたお弁当と四葉のクローバーをもってさっそく旅へでかけ、先程記念すべき、とても大事な写真を撮ることができた。
「さて、帰るか」
次はどこにいこうか。
今から次の旅のことで頭がいっぱいだ。

<旅かえる 公式サイト>

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