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モロモロの旅 2話 キャンプと高い木の上で 前編

 

「よいしょ。
 ……ふぅ。こんなものかな」
 取ってきた枝をすでに山積みになっている枝の上におく。
「夢にまでみたキャンプファイヤー……とまでは行かない無いが、初めてにしては上出来だな」
 さっそく火をつけよう。
 モロモロは心を踊らせ、葉っぱで作ったテントの中にしまったマッチを取りに行く。
 二回目の旅。
 一回目の旅の帰りにねっていた旅だ。
 今回は遠出をしてみた。
 遠出の旅と言ったらキャンプ。
 キャンプと言ったらテント。
 テントと言ったら焚き火。焚き火を征するものは遠出を征する。
 旅のバイブルと呼べる本『旅かえるの心得』百九箇条のうちの一つに書いてあったから間違いない。
 『旅かえるの心得』は、野宿する場所、テントの貼り方、枝の集め方に組み方、火の付け方など記載されており、モロモロは旅に出る前にかならず熟読して、旅にでている。だから、ここまですべて完璧。あとは火をつけるだけ。
「ん……ん……ん……。
 ……あれ?」
 おかしい、つかない。
 何度も何度もマッチをこすっても火がつかない。
 研修のときは一度も失敗したことがない。火付けの講義では常にトップの成績を収めていたのだ。
 ここにきて火がつけられないなど、笑えない。
 焚き火こそ、遠出の醍醐味なのだ。
「ふんっ! あっ」
 力を込めすぎて、折れてしまった。
 マッチを折るなんて一度もないのに。
「んー」
 どうしたものか。このあと何度も挑戦したが、どれも火をつけることができず、全て折ってしまっている。
「まいった……まさかこんなことになるとは……。
 ご主人が用意してくれたライターを借りるんだった……」
 ライターなんて邪道といって、ご主人のせっかくのご厚意を蹴ってしまった。あのときの自分を思いっきり殴ってやりたい。
「こうなったら、原始的に枝をこすって火をつけるか……」
 いや、そんなやったこともないことを、いきなり本番で出来るわけがない。
「んーどうしたものか……」
 モロモロは腕を組、空を仰ぐ。
 視線の先には、大きな木が空に向かって伸びていた。
「高いなぁ」
 きっと登ったらいい景色を拝めることだろう。
 ……と、そう思ったとき、モロモロは『旅かえるの心得』の百九箇条の一つを思い出した。
 第八十二条。
  ピンチのときは高いところにいけ。
モロモロは、すぐにその木に登った。
後編につづく

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モロモロの旅 1話 〜ご主人との出会いと最初の写真〜 


「撮りますよー? あれ? 後ろ向きのままでいいんですか?」
「はい……このままでお願いします」
「へへ、なんだか『いつか天下をとってやるー!』ていう感じでいいすね!
それじゃ、行きますよ! はい、3・2・1!」
パシャとシャッター音が背後から耳の中へと到達する。
心地がいい。
いいカメラだと音もいいのだと、知ることができた。
「はい! 撮れましたよ」
「……ありがとうございます。本当に、助かりました」
かえる。『旅かえる』のモロモロは、それは、それは深いお辞儀をしてお礼を言う。なんとも深くてキレイなお辞儀なのだろうか。それはまるで、お辞儀をしているかのようであった。
「ちょちょちょちょちょ! そんな! 写真くらいで土下座なんてしないでくださいよ!」
「え? 土下座?」
「え、だから、そんな土下座しなくても……」
「……え? 誰が土下座を?」
「え? ……い、いやなんでもないです。
あははは。コホン。
……それでは私はこれで。いい旅を!」
「はい、あなたもいい旅を」
写真を採ってくれた優しい御仁のその場で見送り、背中が見えなくなるころに取ってもらった写真を確認する。
この日のために用意した最新型のカメラの液晶の中には、自分が注文した通りの構図で撮られていた。
「ああ、よく撮れてる。
あの人……ほんとにいい人だったなぁ」
撮る際に色々注文してしまった。あーでもないこーでもないと、構図を決めるのに30分以上かかってしまった。それでもあの人は、モロモロが納得するまで付き合ってくれた。『もっとこうした方がいいんじゃないですか?』と提案もしてくれた。
見ず知らずの自分にあそこまでしてくれるなんて……。
世の中捨てたもんじゃない。
モロモロはもう一度、写真を見る。無意識に口角があがる。
写真はとても良く撮れていた。
「初めての旅の記念。ご主人は喜んでくれるだろうか」


旅をするかえる。通称『旅かえる』は旅をすることを生きがいとしている。だが、旅をする為には支援してくれる専属の『ご主人』がいないと旅をすることができない。去年2017年11月に、長い月日をかけてようやく旅をすることができるかえるに成長することができた。記録を残すために最新型のカメラも買った。だが、なかなか『ご主人』が現れなかった。同期たちはみな『ご主人』と出会い続々と旅をし始めている。カメラを磨く日々が続いた。
だが、今日。ようやく自分専属の『ご主人』と巡り合うことができた。
初めて合ったご主人は、なんだかとてもイライラしていた。身体からイライラのオーラが見えるほどに。目を細め、まるで獲物を狙うかのよう……一瞬、蛇にでも睨まれているのかと思いか、身体が硬直した。口もモゴモゴしている。
もしかして何か嫌いな物を食べたからだろうか。もしかして虫歯が痛いのだろうか。もしかして出会う前に何か嫌なことがあったのだろうか。
様々なことを考えているうちに、ご主人から名前をもらった。
それが『モロモロ』だ。今日から、旅かえるのモロモロだ。
モロモロは嬉しくて嬉しくて、堪らなかった。すると、さきほどまで蛇のようだったご主人の目が、とても嬉しそうな目になった。
モロモロは、さっそくご主人が用意してくれたお弁当と四葉のクローバーをもってさっそく旅へでかけ、先程記念すべき、とても大事な写真を撮ることができた。
「さて、帰るか」
次はどこにいこうか。
今から次の旅のことで頭がいっぱいだ。

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